工場見学 長船チャレンジランド 今在家工場
上製本工程 伝統的な製本の方法で、格調高く、長期の保存にも耐えられます。


かがり
1)糸で背の部分を縫う。(かがり)

一冊がため
2)用紙をならしたものを背がためする。

三方断裁
3)三辺を少し裁ち落とす。(三方断裁)

スピン入れ
4)スピンをはさみ、上端を背に固定。

丸み出し
5)本の背を型に合わせる。(丸み出し)

背貼り
6)背に「にかわ」を塗る。

ブックン ブックン
上製本の作業工程はちょっと複雑なので、途中でわかりにくいところは、こちらの
チャート図を見ながら進もうね。

ハジメくん&ヨシコちゃん
ハ〜イ!

ブックン ブックン
まず最初に、印刷された用紙をページの順番が正しくなるように折り、中身の最初のページと最後のページの裏側に「見返(みかえし)紙」と呼ばれる厚めの紙を貼るんだ。
次に、折り上がった用紙(これを折り丁と言うんだけど)を一冊の本の順番に並べる。
ここまでは「無線とじ工程」と同じで、次からは「上製本工程」独自の工程に移るよ。(「折り」と「丁合」については「中とじ工程」で、わかりやすく説明しているので、そちらを見てね)
まずは、写真(1)の「かがり」だ。

ヨシコちゃん ヨシコちゃん
図書委員やってるから知ってるよ。古い本のページが取れかかったりしてるの見ると、糸で他のページとつながってるのがわかるもの。こんなふうに背の部分で縫いつけてあったんだね。

ブックン ブックン
写真(2)が「1冊がため」の工程だよ。高速でラインが動いているからわかりにくいけど、白く流れて見えるのが糸かがりされた本の中身だ。背の部分にのりが塗られていて、下のヒーターで乾燥させながら、しっかりと背をかためているところなんだ。

ハジメくん ハジメくん
ラインをグルッとまわって緑色の箱の中へ入っていくよ。上から機械が下りるたびに、細長い紙の束が下に落ちてる。紙の端の方を切り落としてるのかな?

ブックン ブックン
そうだね。これは「三方断裁」と言って、背の部分を除く残りの三辺を少し切り落としてるんだ。この段階では、折り丁の背をとじているだけだから、中身の用紙が袋状になっていて1ページずつ開けないんだ。「三方断裁」することで、中身のページが開けるようになり、大きさもそろうんだよ。
次の工程を見てごらん。半分に開いた状態で本が流れてくると、黄色いヒモが開いたページに自動的にはさまれて、片方の端が背の方へ留められているだろ?「スピン入れ」という工程だよ。

ヨシコちゃん ヨシコちゃん
しおりの細いヒモのことを「スピン」って言うんだね。雑誌、コミック漫画なんかにはスピンがついてないのはどうしてなの?あると便利なのにね〜。

ブックン ブックン
スピン、糸かがり、見返しなど、上製本だけに許される特権がいろいろあるんだよ。手間のかかる製本方式だからね。
次へ進むよ。
ホームページで見学している人は、写真(5)を見てね。
これは「丸み出し」という工程で、本の背に金属の型をあてて、事前に決まっている背の形状に整形するんだ。例えば「丸山上製本」にする場合は、まん中がふくらんだ丸い背の形状になるから、カーブ状に凹んだ金属の型を背にあてて、丸みを帯びさせるんだよ。
上製本の背の種類については「上製本の基礎知識」のページに写真が載っているから見てね。
背の部分が整形できたら、そこに「にかわ」を塗るんだ。「にかわ」って、何だか知ってるかい?

ハジメくん&ヨシコちゃん
知らな〜い…

ブックン ブックン
牛などの動物の皮・角・すじ・軟骨などに水を加え、ドロドロになるまで煮たものなんだ。アメ色の粘りの強い物質で、昔から使われてきた良質の接着剤だよ。日本画や日本人形、和家具など、伝統的な工芸品には今でも「にかわ」が使われているんだ。
「にかわ」を塗った上には「寒冷紗(カンレイシャ)」と呼ばれる丈夫な布を貼りつけて、背をさらに補強するんだ。これが「背貼り」の工程だよ。

ハジメくん ハジメくん
ずいぶん手の込んだ工程を経ているんだね。手づくりじゃないとできないような作業を全自動で機械がこなしてるなんて本当にビックリ!
ようやく完成に近づいてきたみたいだね?

上製本工程2へ続く