本の豆知識 本の奥付を読む 正しい管理方法 製本用語解説
正しい管理方法
 みなさんは大事な本を何冊ぐらいお持ちですか?
 高い本、安い本、本にもいろいろありますが、正しい保管方法を書いた本は無いですよね。数百円の電気製品にもそれなりに取扱説明書がついているのに、数万円の本にも保管方法について書かれていません。
 そこで、紹介させていただきます。本の保管方法。

1.平積みするな!
まず、一番本によろしくないのが積読です。本は本棚に立てて収納するようにしましょう。
寝かせてどんどん上に積んでいくと、本に無用な圧力がかかり、ページがくっついたり変形したりする原因となります。

2.本棚にギチギチに詰めるな!
本棚に入れるとしても、本が抜けないほどギッチリ詰めるとこれもまずいです。
頑張りすぎると、出し入れする際にバリッと傷つける原因になりかねません。お気をつけください。

3.スカスカで斜めにするのも駄目!
ややこしいですね。斜めにして保存すると、背に変な力が加わって、やはり破損の原因になります。
また、仮製本の場合は本全体がぐにゃりと曲がったりもします。
本気で保管するなら、ブックエンドぐらいは用意しましょう。無ければ、とりあえず重みのある辞書でも置いておきましょう。

4.高温多湿を避けよ!
高温多湿。カビが生える絶好の条件ですね。特に6月の梅雨シーズンは注意が必要です。
古い本の独特の香りは、このカビによってかもし出されたりするのですが、本をボロボロにするだけですので注意しましょう。シミになったりしますしね。
やむを得ず押し入れの中に入れる場合は、湿気とりを必ず常備しましょう。ちなみに、紙の種類によって異なりますが、一般的には20度前後で湿度50%ぐらいを目安にされるとよろしいかと思います。

5.直射日光は駄目!
紙が日に焼けてボロボロになります。虫除けで日に当てる事もありますが、それもあまり当てすぎると紙が黄色になります。基本的に直射日光は紙やインクの劣化を早めますので、本棚を日の当たる場所に置く事は望ましくありません。

6.時々広げてやろう!
何年も読まずに放っておくとよろしくないです。時々ぱらぱらとページをめくって空気を入れてやるだけでも随分違います。全100冊の全集物とかだと、けっこう大変ですけどね。同時に埃も落としてやります。たまると落ちないです。

7.虫にご用心!
本が大好きな虫がいます。別に、読書家の虫というわけではありません。本のページのすき間に入り込んで、本を食べる輩です。インク部分が大好きで、文字の形に沿って穴を空けてくれる虫もいますので注意します。シロアリに食われると、再起不能なほどの大穴を空けてもらえます。
虫除けには防虫剤を使うのが一般的ですが、防虫剤の中には化学反応を起こしてシミを作ってしまう物もあるのでご用心。

8.ケースがあるならケースに保管
高い本はほとんど例外無くケースが付属しています。面倒でも、読み終えたらケースに入れて保管しましょう。消しゴムでも「使った後はケースにしまいましょう」と書いてあるぐらいです。面倒だからとケースを捨てる人がいらっしゃいますが、どうしてそんなことをしてしまうのでしょうね。

9.本を汚さない
飲食しながら読書して、食べかすが本の中に落とすのは言語道断です。シミの原因になりますし、虫を呼び寄せる事にもなりかねません。ポテトチップを食べながら、油まみれの指でページをめくるような人に、大切な本を触る資格はありません。

10.どうあがいても劣化する物は劣化する

こういう言い方もどうかと思いますが、劣化するものは劣化します。特に読み捨てを前提とした雑誌類は構造的に弱い部分を抱えているため、いくらかの劣化は避けられないと思います。

酸性紙
20〜30年もしたら酸化し、黄色くボロボロになってしまいます。最近の書籍は中性紙を使う事が増えているようですが、80年代以前の本は酸性紙が多いようですね。素人が頑張ったぐらいでは酸化してしまいます。新聞紙を1年置いておくと、変色しますよね。さらに中性紙の間に酸性紙をはさんでおくと、変色しにくいはずの中性紙がつられて変色してしまいます。
しおりやスクラップした新聞にはご用心!

中綴の針金
金属部品は錆びます。錆びないステンレスも、時間の経過と状況によってはどんどん錆びます。錆びて紙を錆色に染め上げた揚げ句、ばらばらに分解してしまう事もよくあることです。

セロテープで中途半端に補修された本
何年か経てば糊が紙を茶色に染めて、セロハンは剥がれるか割れてしまいます。(ビックリしますよ)
セロテープを貼った時点で、長期保存は諦めてください。

 当たり前に存在し、そう簡単に破損しないと思われている本も、真面目に長期保管を考えるとなかなか難しいものがあります。
 皆様も大切な本を手に入れられた際は、上記の注意点を思い出し、なるべく良い状態を保てるようにしてあげてくださいね。